<離婚> 「 Q&A 」
行政書士桐山事務所
<離婚の基礎知識>
Q1 離婚しようかどうか迷ったら?
  離婚は人生の一大事であり、迷うのは当然ですが一人で悩んでいても神経が参ってしまいます。あなたが何について悩み、困っているのか相談にのってくれる相手をみつけることです。いろんな人に相談して意見を聞いてみると、いいヒントがみつかるかもしれません。

両親や友人に相談できないのであれば専門家に相談してみましょう。各種相談窓口を利用して専門家のアドバイスを受けて、離婚に関する法律知識をもつことによって、容易に解決できるケースもあります。逆に法律知識がなかったばかりに、相手の一方的な言い分を受け入れ、不利な条件で離婚してしまうこともあるのです。 

  *地方自治体の法律相談
  *弁護士会の法律相談
  *家庭裁判所の家事相談
  *各都道府県の婦人相談所  など
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Q2 離婚するのに必要な手続きは?
  夫婦間の話し合いで離婚の合意ができれば、離婚届を役所に提出するだけです。(協議離婚)
裁判(判決)離婚については、Q48を参照ください。

<離婚届について>
 ・自署し、押印する(認印で可)
 ・未成年の子供がいるときは、親権者を決めておく
 ・20才以上の証人2名の署名、押印が必要
 ・事実上どこの役所でも届出は可能ですが、本籍地以外の役所への届出の場合は戸籍謄本の添付が必要
 ・届の提出は二人で行く必要はなく、他人に委託したり、郵送も可です。
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Q3 離婚したくない場合は?
  相手の離婚請求に正当な理由(法律上の離婚原因・・・Q51参照)があるときは、裁判で離婚せざるを得なくなるでしょう。
ただし、相手に正当な理由があっても、破綻の端緒など相手に有責性が認められれば離婚請求は認められません。
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Q4 離婚の際に決めておきたいことは?
  @財産分与(夫婦の財産関係の清算)
  A慰謝料(相手の暴力、不貞などの不法行為に対する損害賠償)
  B子供の養育費
  C未成年の子供の親権者をどちらにするか
  D子供との面接交渉
  E離婚後の姓と戸籍をどうするか
  F離婚後の住居、仕事などの生活をどうするのか
などです。
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Q5 自分から家を出て別居すると、離婚の際に不利になるのか?
  夫の暴力などで別居するなど、別居に正当な理由がある限り自分から家を出ても不利になることはありません。しかし正当な理由もなく自分の都合で家を出てしまうと、財産分与や慰謝料のことで不利になることもあり得ます。
別居は冷静に考えるために効果的なこともありますが、できるだけ合意の上で別居することがよいでしょう。
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Q6 離婚届を相手に渡したが、気が変わったときは?
  離婚は役所に離婚届を提出し、受理されれば成立します。離婚届を書いて相手に渡した後に気が変わって離婚したくない時は、役所に対して離婚届を受理しないように申し出をしておくことができます。これを離婚届不受理申出の制度といいます。

役所に行き、用紙に記入、押印して提出しておけば他のどこかの役所に離婚届が提出されても、離婚は成立しません。なお、離婚届不受理申出の有効期間は6ヶ月ですので、その度に申出をする必要があります。
逆に離婚することにした時には、不受理申出の取下げ書を提出します。
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Q7 離婚届不受理申出が間に合わなかったときは?
  気が変わって離婚する意思がなくなっても、相手に離婚届を出されてしまうと表面的には離婚成立となります。しかし離婚する意思がない以上離婚は無効ですので、家庭裁判所に離婚無効確認を求める調停を申立てることになります。
相手が離婚の無効について争う場合は、調停の後、訴訟を申し立てることになります。

いづれにしても離婚届が出されてしまうと、それをくつがえすのは大変です。
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Q8 内縁関係の場合はどうなる?
  入籍されていない、いわゆる内縁関係の場合でも婚姻と類似の法律関係を当てはめます。したがって配偶者の一方が不貞、暴力、遺棄のような行為を行なった場合、内縁関係の不当破棄として財産分与、慰謝料請求の問題が起こります。また相続権はありません。
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<調停・訴訟>
Q9 相手が離婚に同意しないときは?
  夫婦間で離婚の協議が成立しないときは、調停、審判、裁判となります。
まずは家庭裁判所に調停を申し立てます。いきなり裁判はできません。家庭裁判所では中立的な第三者を交えて話し合いをし、離婚の合意ができた場合にはその内容を調停調書にして、調停離婚が成立します。

調停で離婚の合意ができないときは、裁判を提起することになりますが、例外的に特別の事情があるときには、家庭裁判所の審判によって離婚が認められる場合があります。(審判離婚)

また、裁判を提起した後、裁判中に離婚の合意が成立したときにはその内容を書面にすれば和解離婚が成立します。裁判中に和解もできず、正当な離婚原因があるときには判決によって離婚が認められます。(判決離婚)
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Q10 離婚調停の申立てはどうやるのか?
  最低限必要な書類としては
   @調停の申立書(家庭裁判所でもらえます。)
   A夫婦の戸籍謄本  1通
   B収入印紙 1200円
   C郵便切手(金額は裁判所によって異なります)

申し立てる裁判所は相手の住所地を管轄する家庭裁判所か又は当事者の合意で定めた家庭裁判所となります。
離婚調停では親権者の指定、養育費、財産分与、慰謝料などの請求も同時に申立てできます。
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Q11 離婚調停の流れは?
  調停を申し立てると家庭裁判所が期日の指定をし、相手には呼出状が郵送されます。当日は調停委員2名(通常は男女各1名)と裁判官(又は家事調停官)が調停を進めていきます。

その際には離婚したい理由、親権者・財産分与・慰謝料などの条件、協議がまとまらなかった点はどこか、などについて事情を聞かれますので、予めメモしてまとめておいた方が調停委員にも理解されやすいでしょう。
この事情聴取が相手側にも行われ、その後双方に対し次回の調停についての指示があります。

合意が成立する可能性があれば、こうして1ヶ月〜1ヵ月半に1回のペースで3ヶ月〜半年続けられます。そして双方の合意ができるとその内容が調停調書という書面になります。これで離婚成立となりますので、離婚届を作成し、調停調書の謄本を添付して役所に提出します。
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Q12 訴訟で離婚できるケースは?
  次の5つの項目のどれかに当てはまる場合にのみ、認められます。(民法770条1項)
 @配偶者に不貞な行為があったとき
 A配偶者から悪意で遺棄されたとき(注1)
 B配偶者の生死が3年以上明らかでないとき(注2)
 C配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき
 Dその他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき(注3)

 (注1)悪意の遺棄とは、例えば生活費を渡さない、勝手に家を出て一人でアパートに住む、などです。
 (注2)生死不明の状態が、3年以上継続していることが必要です。
 (注3)調停、訴訟の中で一番多く主張される離婚原因です。具体例としては暴力、ギャンブル、性交不能、
     親族との不和、長期間の別居などです。
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<離婚原因>
Q13 暴力は離婚原因になるのか?
  離婚原因としては「婚姻を継続し難い重大な事由」に該当します。
暴力癖は暴力の性癖のある場合ですから、当然離婚原因になりますが、一過性の暴力の場合はケースバイケースのようです。
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Q14 不貞は離婚原因になるのか?
  典型的な離婚原因であり、慰謝料請求の原因です。原則的に有責配偶者からの離婚請求は認められません。ズバリ不貞を証明できなくても、破綻の端緒が相手との親密な交際であると認められただけで有責配偶者となったケースもあります。
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Q15 浪費は離婚原因になるのか?
  程度問題ですが、一般的に借金、入質などは離婚原因になります。勤労意欲の欠如、ギャンブル好き、遊び好きなども離婚原因になり得ます。
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Q16 飲酒癖は離婚原因になるのか?
  働かずに飲酒ばかりしているとか、飲酒の上で暴力を振るうとか、などは離婚原因となり得ます。単なる飲酒好きという程度では、離婚原因とはならないでしょう。
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Q17 性格の不一致は離婚原因になるのか?
  なり得ます。生活観の違いや人生観の違い、自己中心的な性格、わがままなどにより、回復し難いまでに破綻していると裁判所が判断することがあります。
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Q18 親族との不仲は離婚原因になるのか?
  よくいわれる姑との折り合いが悪いなどのケースで認められたケースはありますが、単なる不和程度では難しいようです。
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Q19 宗教活動は離婚原因になるのか?
  離婚できる場合もあります。宗教観があまりにも違い、破綻状態の場合です。
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Q20 病気は離婚原因になるのか?
  病気は有責性とは関係なく、病気であるのに加えて苛酷状況があるならば離婚は認められないようです。ケースバイケースで認められています。
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Q21 有責配偶者とは?
  不貞を犯した配偶者、暴力を振るった配偶者のことです。
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Q22 有責配偶者からの離婚請求が認められたケースは?
  認められたケースがあります。
   ・別居期間が長い
   ・未成熟の子供がいない
   ・相手の配偶者が苛酷な状態におかれない
というケースです。
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<財産分与と慰謝料>
Q23 財産分与とは?
  財産分与は清算的財産分与、扶養的財産分与、慰謝料的財産分与、過去の生活費の清算的財産分与の四つに分けられます。
このうち清算的財産分与は夫婦が協力して作った財産を夫婦で分けることです。ですから慰謝料と異なり、有責性に関わらず請求できます。財産分与の基本となるものです。

扶養的財産分与は離婚後の生活ができない場合などに特に認められるものです。収入や婚姻期間、年令、健康状態、子供の養育費、頼れる親族がいるかどうか、などを考慮して決められます。

慰謝料的財産分与は、財産分与に慰謝料を含めて定める場合のものです。裁判所の実務ではしばしば行われています。

過去の生活費の清算的財産分与とは、別居中に相手が生活費を負担しなかった場合のものです。
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Q24 財産分与の請求はどうする?
  離婚前に話し合いで解決するのがよいのですが、まとまらない場合には家庭裁判所に調停か審判を申し立てます。話し合いで決まった場合には、離婚協議書や公正証書にしておくとよいでしょう。

財産分与の請求は、離婚から2年を経過すると裁判所に請求することはできなくなります。
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Q25 財産分与の決め方は?
  話し合いの場合はさまざまでしょうが、審判や裁判の場合は次のように決められます。
  @対象財産の確定・・・夫婦の共有財産はどれか
  A対象財産の評価・・・その総額がいくらになるか
  B清算割合の確定・・・どのような割合で分け合うか
  C具体的分与方法の決定・・・具体的に何の財産を分与するのか
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Q26 財産分与の対象となる財産は?
  夫婦の結婚中に形成されたと認められるすべての財産です。例えば、家、土地、預貯金、有価証券、ゴルフ会員権、車、家財道具などです。また、名義は共有でなくても実質的に共有財産とみなされるものは、財産分与の対象となります。

しかし原則として結婚前から持っていた財産(特有財産)は財産分与の対象にはなりません。例えば嫁入り道具とか相続で得た財産などです。

退職金はケースバイケースですが、退職時期がほぼ確実になっている場合は対象となるケースが多いようです。
年金については、将来相手が受領する年金の一部を支払うように命じた判例があります。

また、プラスの財産だけでなく、マイナスの財産つまり債務も財産分与の対象になります。
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Q27 金銭以外の財産の評価はどうする?
  財産の評価については、法律の定めはありません。ですから客観的にみて合理的な方法で評価すればよいのです。例えば有価証券などは時価または取得価格などで評価すればよいし、不動産などの場合は鑑定してもらうか、公示価格、路線化、取得価格などを参考にすればよいでしょう。
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Q28 財産分与の割合はどれ位?
  ・専業主婦型・・・3割〜5割とされることが多いようです。
  ・共働き型・・・・・収入に著しい格差がある場合を除いて、5割前後です。
  ・家業協力型・・・5割前後が多いようです。
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Q29 財産分与に税金はかかるのか?
  財産分与の対象が現金や預金の場合は、原則として分与した人には税金はかかりません。
また、分与された人にも原則として、贈与税はかかりません。

ただし、不動産の財産分与は、分与した人に時価と購入金額との差額(譲渡益)につき、譲渡所得税(所得税・住民税)がかかります。(特別控除あり)
分与された人には、不動産の移転登記の際の登録免許税と不動産取得税(免除あり)がかかります。

また、分与財産の中に相手の特有財産があると贈与と認定され、贈与税が課される心配があります。
専業主婦の場合に、相手から共有財産を全部分与してもらった場合などには、相当な範囲を超える部分につき、贈与の問題が生じる可能性もあります。
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Q30 こっそり貯めたヘソクリは自分のもの?
  生活費の中から節約によって蓄積されたヘソクリであっても、夫婦の共有財産となり財産分与の対象になりますので、必ずしも全額取得できるわけではありません。
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Q31 離婚してから財産分与の話はできる?
  離婚の日から2年以内であれば、財産分与の請求を裁判所にすることができます。
2年を過ぎてしまったら、話し合いで認めてもらうしかありません。
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Q32 慰謝料とは?
  慰謝料とは、不法行為により損害を被った場合に支払われる損害賠償のことです。
有責配偶者から相手に対して、離婚するに至る原因となる行為による精神的苦痛や、離婚すること自体による精神的苦痛を賠償するために支払われるものです。

慰謝料は、離婚のときから3年で時効になります。
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Q33 慰謝料の相場は?
  離婚慰謝料は配偶者の不法行為により被った精神的苦痛を賠償するものです。
離婚の原因や精神的損害の程度、有責性の程度、年令、職業、収入、資産負債、同居期間など、さまざまな事情を考慮して決められます。
額としては、0円〜1500万円ぐらいまでさまざまですが、現実的には0円〜400万円程度が多いようです。
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Q34 どんな場合でも慰謝料はもらえる?
  請求する方に離婚の原因がある場合は、もちろんだめです。
また、慰謝料を支払わせるほどの有責行為がない場合や有責性の証明ができない場合、有責行為と離婚の間に因果関係がない場合などでは認められません。
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Q35 不倫相手から慰謝料はもらえる?
  配偶者と不倫相手が共同して不法行為をしたとして、不倫相手に慰謝料請求ができます。
金額はケースによりさまざまですが、実際は100万円〜200万円程度が多いようです。

また、不倫をする前から夫婦仲が破綻していた場合には、請求が認められなかった判例があります。
なお、配偶者が結婚していることを隠していた場合、つまり相手方に故意または過失がない場合なども、慰謝料請求は難しいでしょう。
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<養育費>
Q36 養育費の金額は?
  子供を育てるのに必要な食費、住居費、教育費、被服費、医療費、娯楽費などを養育費といいます。
その金額を算定するのには、いくつかの方法がありますが相場としては、子供1人の場合、2万円〜4万円が多く、2人の場合は、4万円〜6万円が多いようです。

養育費支払の期間は、成年に達する月まで、というのが多いようです。
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Q37 養育費の増額(減額)はできるのか?
  養育費の増額(減額)の調停を家庭裁判所に申し立てると、事情確認、意見聴取が行われ、合意が得られれば可能です。調停で合意が得られなければ、審判となり、裁判所が決定します。

  <増額が認められる事情例>
    ・子供の進学、入学による費用
    ・子供の病気やケガによる治療費
    ・子を養育している親の転職や失業による収入の低下

  <減額が認められる事情例>
    ・支払う側の病気や転職、失業による収入の低下
    ・受け取る側の収入増
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<親権>
Q38 親権とは? 監護権とは?
  親権とは子を肉体的に監督・保護し、教育し(身上監護権)、さらに子の財産を管理し、財産上の行為の代理人となる(財産管理権)、親の権利義務のことです。
そして監護権とは、親権のうちの身上監護権(居所指定権、懲戒権、職業許可権)をいいます。
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Q39 親権者を定める方法は?
  話し合いで親権者が決められなければ、家庭裁判所に離婚調停の申立てとあわせて「親権者指定」の申立てを行います。それでも合意できなければ、離婚訴訟を提起し、裁判所が指定します。

その基準は、子の利益、子の福祉を基準として、さまざまな事情を考慮して決定されます。
具体的には、健康状態、年令、精神状態、経済状態、性格、生活態度、居住環境、教育環境、愛情の度合い、親族の援助などです。

また、10才以上の子供については本人の意思を尊重して、15才以上の子の場合には意見聴取も行われます。
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<面接交渉権>
Q40 面接交渉権とは?
  夫婦が離婚した際に、親権や監護権を持たない親が子供に会うことを面接交渉といいます。
判例では、親の権利というよりも子の監護についての一つの処分として認めています。
面会交流(権)ともいいます。
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Q41 面接交渉の決め方は?
  面接交渉は、子供の福祉・利益を害しないことを前提に、面接交渉の場を設けなければなりません。

その時期、場所、時間などについては、まず両親の話し合いによりますが、まとまらない場合には調停を申し立てることになります。調停でも合意が成立しなければ、審判となり、裁判所が決定することになります。

面接交渉の時期については、「一ヶ月に2回」とか「一年に何回」とか決めることが多いようです。
その方法は、相手の自宅やその他の場所で、数時間面会するということになります。
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Q42 別居中でも子供に会えるのか?
  別居中でも親の面接交渉権は認められます。話し合いによって面会が認められないときは、家庭裁判所に審判を申立てて、認めてもらいます。
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Q43 面接交渉を決めたけど、実行されないときは?
  協議や調停で面接交渉について決まったけれど、会わせてくれない場合には、子の監護に関する調停ないし審判の申立てができますが、まず家庭裁判所に履行勧告の申立てをしてみましょう。
面接交渉を拒否し、裁判になった事例では慰謝料の支払を命じた判例もあります。
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<婚姻費用>
Q44 婚姻費用とは?
  婚姻費用とは、夫婦が社会生活をする上で必要な一切の生活費のことです。衣食住の費用、交際費、娯楽費、医療費、養育費、教育費などです。
そして夫婦はお互いに婚姻の費用を負担しなければなりません。(婚姻費用分担の義務)

なお、別居中でも婚姻関係が続いている限り、婚姻費用分担の義務があります。別居中の生活費が相手からもらえないときは、家庭裁判所に「婚姻費用の分担」の調停を申し立てることができます。
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Q45 婚姻費用の金額は?
  法律では、婚姻費用の分担は夫婦の資産、収入その他一切の事情を考慮すると規定しています。したがって具体的な金額の決定は、夫婦の資産、収入、別居に至った原因、経緯などの事情を考慮して算定されます。

最近の家庭裁判所では、算定方式を算定表に基づいて金額が決められています。
一例としては、夫の年収が600万円で、15歳未満の子が一人いる場合の専業主婦がもらえる金額は、月に約12万円前後です。
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Q46 過去の婚姻費用はもらえるのか?
  生活費の支払は夫婦の義務ですから、もらえます。
家庭裁判所に婚姻費用の調停申立てをするか、財産分与の調停申立ての中で請求できます。
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<戸籍と姓>
Q47 離婚後の姓はどうなるのか?
  婚姻によって名字を改めた夫または妻は離婚すると、法律上当然に結婚前の名字に戻ります。

離婚後もそのまま使いたいときは、離婚の日の翌日から3ヶ月以内に「離婚の際に称していた氏を称する届」を役所に提出すればできます。(婚氏続称といいます) 離婚届と同時に出すこともできます。
また、離婚に際して相手から、婚姻中の名字を使わないでくれと言われても、できます。

子供の名字は、離婚しても変わりません。子供の名字を変えるには、「子の氏の変更許可」の申立てを家庭裁判所にします。
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Q48 離婚後の戸籍はどうするのか?
  離婚により旧姓に戻った人は原則として、結婚前の戸籍に入籍します。しかし結婚前の戸籍が既にない場合や新しく戸籍を作りたい場合は、作ることができます。
婚姻中の名字をそのまま使う人は、当然新しく戸籍を作ることになります。
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Q49 子供の姓と戸籍はどうなるのか?
  子供は離婚後も名字は変わらず、戸籍も結婚中の戸籍に残ります。そのため、母親と同じ戸籍に入れたい場合は、まず「子の氏の変更許可」を家庭裁判所で得て、名字を同じにしてから、役所に届出をすれば同じ戸籍に入れられます。
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<公正証書>
Q50 公正証書と普通の契約書との違いは?
  公正証書とは、公証人役場で作成される契約書です。その原本は20年間公証人役場で保管されますので、紛失の心配もありません。ですから離婚の際に取り決めたことを、書面にしておくだけでなく、公正証書にしておくと安心です。

さらに公正証書の中に、「執行認諾文言」を入れておくと万一約束が履行されないときには、裁判をしなくても公正証書だけで強制執行の手続ができるのです。
執行認諾文言とは、「債務を履行しないときは、直ちに強制執行を受けても異議のないことを認諾する」という文言です。
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Q51 公正証書の作り方は?
  公正証書は本人または代理人が公証人役場に行って、公証人に作成してもらいます。近くの公証人役場に連絡して、必要書類を確認して下さい。

一般的には、契約内容を記した書面(離婚協議書など)、夫婦それぞれの実印と印鑑証明書(免許証やパスポートなどでも可)が必要です。

作成手数料は、目的となる価額によって違ってきますが、1000万円の場合で17000円です。
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<外国人との離婚>
Q52 外国人との離婚はどうするのか?
  離婚するにあたって、夫の本国法が適用されるのか、妻の本国法が適用されるのか、あるいは居住している国の法が適用されるのかが問題となります。
日本では「法例」という名の法律で決められており、日本に居住しているのであれば日本法が適用されることになります。
ですから、協議離婚もできるし、裁判上の離婚も可能です。
また、財産分与や慰謝料請求も認められます。
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Q53 相手の外国人の国では離婚が認められていないときは?
  日本に居住していれば日本法が適用され、離婚が可能です。ですから離婚届を役所に提出すれば離婚が成立します。
しかし相手の国では離婚が認められていないとすると、相手の国では離婚は有効とはならず、相手は再婚できないことになります。
ただし、国によって違いますので、その国の制度をよく確認して下さい。
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<離婚後>
Q54 慰謝料や養育費が約束どおりに支払われないときは?
  直接相手に催告したり、内容証明で催促してもだめなら、強制的に相手の財産を差し押さえることになります。

調停調書や和解調書にその内容が記載されているときは、裁判所から相手に対し、支払の「履行勧告」や「履行命令」を出してもらえるように、申立てができます。
さらに、相手の財産を強制的に差し押さえることができます。これは「執行認諾文言付きの公正証書」の場合でもできます。

差し押さえできる財産は、給料、預貯金、不動産、家財道具など相手名義のものです。
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Q55 差し押さえする相手の財産の調査はどうする?
  相手の資産状況が分からない場合は、調停調書や和解調書があれば、財産開示手続の制度を利用できます。(H.16年4月1日より新たに創設)
地方裁判所に申し立てることによって、相手は資産状況を開示しなければならなくなります。
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Q56 差押えできる金額はどれくらい?
  (1)慰謝料の場合
    支払が滞っている金額だけです。分割払いとしている場合には、将来の分までは請求できません。ただし「期限の利益喪失約款」といって、例えば「滞納が3回以上になったときには、残りも一括して支払わねばならない」などという文言があれば、将来の分も含めて一括で請求できます。

給料の差押えの場合には、税金などを差し引いた手取額が28万円を超えるときは、その手取額から21万円を引いた金額を差押えることができます。
しかし税金などを差し引いた手取額が28万円以下の場合は、手取り金額の4分の1までしか差し押さえができません。

  (2)養育費の場合
    滞納分のみならず、将来の分も含めた額を1回の手続で差し押さえできます。
また、給料の手取り金額の2分の1の金額まで差し押さえができます。
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Q57 離婚後の社会保障・社会福祉制度は?
  各自治体によって違いますので、具体的な内容は福祉事務所で相談してください。

   @住居 
      ・母子生活支援施設・・・18才未満の子を養育している母子家庭
      ・公営住宅の優先入居・・・一般枠と別枠で抽選
      ・母子アパート・・・母子世帯だけの公営住宅
   A児童手当・・・収入が一定額未満で児童が小学校就学前の場合
   B児童扶養手当・・・父母が離婚または父が死亡した場合で、一定額以下の所得のとき
   C国民年金保険料の減免・・・支払困難のときに、全額または半額が免除
   D生活保護
   E国民健康保険料の減免・・・所得が一定額以下の場合
   FJR通勤定期、市バス、市営地下鉄の割引、水道料金の免除
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<DV防止法>
Q58 DV(ドメスティク・バイオレンス)防止法とは?
  DVとは、親密な関係にある男性から女性に対して行われる暴力をいい、夫が妻に対して行う、殴る、蹴るなどの暴行などが典型的な例です。

2001年10月に「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律」いわゆるDV防止法が施行されました。
DV防止法は、適用対象が配偶者間の身体的な暴力に限定されています。ですから暴言による精神的な暴力や性的暴力は含まれません。

また、警察など行政にDV被害防止に積極的に関与することを義務づけ、被害者がDVから逃れるための「保護命令制度」を定めています。
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Q59 保護命令とは?
  保護命令には次の2つがあります。
   @6ヶ月間被害者の住居や身辺に近づかないよう命じる接近禁止命令
   A被害者と加害者が同居している場合、2週間その住居から退去するよう命じる退去命令

手続としては、地方裁判所に申立てをして、保護命令を出してもらいます。
そしてこの保護命令に違反した場合には、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処せられます。

なお、元配偶者の暴力に対しては、この保護命令は出せません。(ストーカーの問題となる)
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Q60 DV被害にあったときは?
  DV防止法で被害者の相談、援助を行う「配偶者暴力相談支援センター」が各都道府県に設置されるようになりました。実際には「婦人相談所」とか「女性センター」などという名称が使われています。

そこでは相談、カウンセリング、一時保護、情報の提供・援助、シェルター(保護施設)の利用と情報提供などが行われます。
また、外国人でも相談、援助が受けられます。
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